ペニンシュラキッチンは手元隠しをつけるべき？後悔しない選び方を解説

家族やお客さまとコミュニケーションが取りやすく、開放感があり広々としたLDK空間になることから、近年人気のあるペニンシュラキッチン。ペニンシュラキッチンは、調理器具や食材でごちゃつきがちな調理スペースが丸見えになってしまうため、手元隠しをつけるかつけないかで悩む人も多いようです。

本記事では、ペニンシュラキッチンの手元隠し「あり」と「なし」それぞれのメリット・デメリットを紹介するとともに、後悔しない選び方を解説していきます。

英語で「半島」を意味するペニンシュラ。半島のように壁から突き出ているキッチンのことをペニンシュラキッチンと言います。キッチンの左右どちらか一方が壁に接している点が、四方が壁に接していないアイランドキッチンとの違いです。

ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンは、対面キッチンやオープンキッチンの一種で、調理中もリビング・ダイニングを見渡せるレイアウトが特徴です。コミュニケーションの取りやすさや開放感が魅力で、近年人気が上昇しています。

フルフラットタイプの対面キッチンは手元を隠すための壁や仕切りがなく、オープンすぎるという理由で採用を躊躇する人もいます。

ペニンシュラキッチンに手元隠しを設置することで、「手元が丸見えになる」というフルフラットタイプの対面キッチンの弱点とも言える部分をカバーできます。デザイン性にもこだわった手元隠しを設置すれば、見た目もおしゃれなうえにキッチンがより機能的になります。

まずは、手元隠しをつけるときとつけないときのメリット・デメリットを紹介します。後悔しないためにも、双方をしっかりと理解しておきましょう。

手元隠し「あり」のメリット・デメリット

手元隠し「あり」のメリット・デメリットは以下の通りです。

手元隠し「あり」のメリット

• 来客の視線を遮られるため、ごちゃつきがちな作業中の手元を隠せる
• 水はねや油はねを軽減できるため、リビング・ダイニング側が汚れにくい
• 液体をこぼしたときにリビング・ダイニング側へ流れ落ちるのを防げる

手元隠し「あり」のデメリット

• 手元隠しの高さがありすぎると圧迫感や閉塞感を感じる場合もある
• 凹凸が多くなる分、掃除の手間がかかる
• 設置に費用がかかる

手元隠しは、高さがありすぎると圧迫感や閉塞感を感じやすくなったり、凹凸が多すぎても掃除の手間がかかったりします。しかし、来客の目線を遮ることができたり、水はね・油はねを軽減したりとメリットも多くあります。

手元隠しは、ごちゃつきがちな作業スペースを見られたくない人やリビング・ダイニング側が汚れるのが気になる人におすすめです。キッチンの機能性を重視する人にも向いています。

手元隠し「なし」のメリット・デメリット

一方、手元隠し「なし」のメリット・デメリットは以下の通りです。

手元隠し「なし」のメリット

• 開放感があり、広々とした空間になる
• リビングやダイニングにいる家族とコミュニケーションを取りやすく、調理中も孤独を感じにくい
• キッチンにいても周囲を見渡せるため、小さな子どもや高齢者、ペットを見守りやすい

手元隠し「なし」のデメリット

• 水はねや油はねがリビング・ダイニング側へ飛び散りやすい
• 液体をこぼしたときにリビング・ダイニング側へも流れてしまう可能性がある
• 急な来客があったときにごちゃついた手元を見られてしまうため、常にきれいな状態を保つ必要がある

開放感を重視する人やすっきりとしたデザインのキッチンを好む人は、手元隠しを設置しない方がいいでしょう。

ペニンシュラキッチンに手元隠しではなく、「腰壁つきの壁ありにする」という選択をする人もいます。キッチンの腰壁とは、床から大人の腰くらいの高さまである壁のことです。

腰壁はキッチンとリビング・ダイニングを仕切るための造作の壁として、ペニンシュラキッチンやアイランドキッチンに設置されることが多く、コンロ前のみ壁を天井まで高くする場合もあります。

腰壁を設置することで対面キッチンの良さは残しつつ、調理中の手元を隠せたりリビング・ダイニング側への水はね・油はねを軽減できたりと、機能性をアップさせることができます。腰壁つきの壁ありの魅力と注意点を見ていきましょう。

壁ありの魅力

手元隠し同様、腰壁の高さにもよりますが、作業スペースに置かれた食材や調味料、キッチンツールを隠せたり、調理中の手元を隠せたりできるのが魅力です。水はね・油はねの防止にもなるため、リビング・ダイニング側をきれいに保てます。

厚みのある腰壁にすれば、キッチン内側の立ち上がり部分にスパイスニッチを設置することも可能です。調味料を使うときに引き出しを開けたり閉まったりする手間が省けるため、調理がしやすくなります。リビング・ダイニング側には、スプーンやフォークなどのカトラリーを仕舞っておける収納棚を設置してもいいでしょう。

また、腰壁の上にカウンターを設置することで、完成した料理や食器などを置いておけるため配膳や片付けがしやすくなります。大きめのカウンターであれば、ダイニングテーブルやバーカウンターの代わりとして使えるため、朝食や軽食などさっと済ませたいときに便利です。狭小住宅でLDKのスペースをあまり確保できない場合や少人数家族におすすめです。

腰壁のリビング・ダイニング側をタイルやパネル、アクセントクロスを使って装飾を施せば、インテリアの一部としてキッチンを楽しめます。部屋全体の統一感を意識して、装飾を選ぶのがポイントです。

壁ありの注意点

腰くらいまでの高さとはいえ目の前に壁があるため、フルフラットタイプのキッチンと比べると圧迫感や閉塞感を感じやすいでしょう。背が高めで厚みもある腰壁は、収納スペースを多く取れたりカウンターの土台としても十分だったりしますが、どこから見ても存在感が大きいため窮屈さを感じるかもしれません。

カウンターを設置することで、食器のほかにも花瓶や小物など物を置きやすくなります。しかし、カウンターに物を置きすぎてしまうと雑多な印象を与えてしまうため、あまりよくありません。すっきりとした印象にするためには、物を置き過ぎないように注意しましょう。

また、腰壁があるとはいえ、水はね・油はねを完全に防ぐことはできません。勢いのある水はねや油はねは腰壁を飛び越える場合があるので、小さな子どもがいる家庭は特に注意が必要です。油はねが気になる場合は、コンロ前のみ壁を高くすることをおすすめします。

腰壁の高さは、自分や家族にとって使いやすく納得できる高さを選ぶことが重要です。身長だけでなく、キッチンの見え方や腰壁をつくる目的なども考慮して高さを決めるようにしましょう。腰壁の高さを選ぶときには、必ず実際の高さを体感してください。

既存のペニンシュラキッチンに手元隠しを後付けすることも可能です。取り付ける方法は主に2種類で、リフォーム業者に依頼する方法と自分でDIYで取り付ける方法です。それぞれ解説していきます。

リフォーム業者に依頼する

内装のプロである、リフォーム業者に依頼する方法です。リフォームをプロに任せられるので、手間もかからず安心感があります。

リフォーム業者は数多くあるため、キッチンリフォームの実績が多く技術面で信頼できる業者を選ぶことをおすすめします。

DIYで取り付ける

ベニヤ板やモルタルを使って、腰壁をDIYする方法もあります。時間と手間はかかりますが、お気に入りのクロスやタイルを貼って、自分好みのものを一から作り上げることができます。選ぶ素材によっては、リフォーム業者に依頼するよりも費用を抑えられるかもしれません。

インターネット上にはDIYの方法を掲載したサイトが数多く存在します。興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

手元隠しの取り付けにかかる費用は？

既存のペニンシュラキッチンに後付けで腰壁を取り付ける場合の費用相場は、約20万円〜40万円です。新たにキッチンを設置し腰壁をつける場合と比べると、割高になってしまいます。また、既存のキッチンに手元隠しのカウンターを増設する場合の費用相場は、約10万円〜20万円です。

腰壁やカウンターの取り付けにかかる費用は、部屋の間取りや素材などによって変動します。リフォーム業者によっても見積もり金額に差が出ることから、複数のリフォーム業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。

ペニンシュラキッチンの手元隠しや腰壁などを設置することを決めたものの、どのような仕様にするかで悩んでいる人も多いかもしれません。

キッチンの悩みを解決するためには、実際にショールームでキッチンを体感してみたり、プロに相談したりすることが大切です。仕様決めで悩んでいる人へ向けてのアドバイスを紹介します。

ショールームで実際のキッチンを見てみる

ショールームで実際のキッチンを見てみると、自分に合った手元隠しや腰壁の高さや仕様が分かります。必ず一度はショールームへ足を運び、実際に体感してみてください。

キッチンを一番使う人にとって使いやすいのはどの仕様なのか、フルフラットキッチンの見た目のシンプルさを重視するのか、実用性や機能性を重視するのかを考えながら、キッチンを見てみましょう。

ショールームで悩みを相談してみる

ショールームには、専門の知識を持ったプロが在籍しています。手元隠しや腰壁のことで少しでも迷うことがあれば、担当者に気軽に相談してみましょう。

キッチン本体だけでなく間取りや予算などについて細かく相談したい人は、トーヨーキッチンスタイルの来館予約がおすすめです。ゆっくりと時間をかけて相談することができます。

リフォーム業者に相談してみる

部分的なリフォームであれば、専門のリフォーム業者に相談してみるのも一つの手です。キッチンリフォームの実績が多い業者であれば、手元隠しの専門知識も豊富でメリット・デメリットも把握しているはずです。リフォームプランも最適なものを提案してもらえるでしょう。独自の流通ルートを持っている場合が多いので、費用を抑えられる場合が多いです。

工事の品質の高さとコストパフォーマンスを重視する人にとっては、おすすめの相談相手です。

トーヨーキッチンスタイルで理想のペニンシュラキッチンを実現した先輩オーナーたちの事例を知ることで、自分の理想を見つけやすくなります。事例ごとのおしゃれなポイントも合わせて紹介しますので参考にしてください。

壁ありで見せたくないところを上手に隠す

ペニンシュラキッチンのコンロ前に天井までの高い壁を設置したことで、汚れやすく生活感の出やすい部分を上手に隠している事例です。

キッチンのリビング側を引き戸の収納にすることで、対面キッチンで不足しがちな収納スペースを確保。奥行きを有効活用しています。

メタリックな木目が特徴の「メタルスモーク」をキッチンの扉カラーに採用し、高級感のあるキッチンを演出しています。背面収納のカラーも合わせることで、統一感のあるキッチン空間が完成しました。

香川県 M様邸

シンプルなインテリアで開放感十分

シルバーとブラックをメインカラーに全体的にシンプルなインテリアを配置していることで、開放感がたっぷりなN様邸のペニンシュラキッチン。手元隠しや壁をなくしたフルフラットタイプのキッチンを採用し、華美な装飾を排除することですっきりとした空間になっています。

キッチンのリビング側には大容量の収納をつけ、収納スペースも十分。ワークトップと扉のカラーがリンクすることで、一体感が生まれています。

キッチンに合わせたダイニングテーブルやソファもトーヨーキッチンスタイルが提案したものを採用されており、全体的にまとまったLDK空間になりました。

岐阜県 N様邸

背面を有効活用して機能的に

LDKに入ると、目の前に広がる壁一面の大きな窓。白いカーテンを通して入る日差しがペニンシュラキッチンを明るく照らし、モダンで洗練された印象のキッチンとなっています。

パラレロシンクを搭載したキッチンは、「洗う」「切る」「盛り付ける」などの調理作業がシンクの中で完結するため調理台が汚れにくいのがメリットです。

背面にはコンロやグリルといった業務用加熱機器を組み込んだシステム収納を採用し、壁側も有効活用しています。機能性と見た目の美しさを両立させた、オーナー様こだわりのキッチン空間となっています。

K様邸

ゴージャスな雰囲気で空間を統一

扉カラーの「キルト」が柔らかな輝きを放ち、ゴージャスな雰囲気が魅力的なキッチンの事例です。

壁面や床面におしゃれなモザイクのタイルを採用することで、キッチンや家具とのつながりを演出。アンティーク調の家具とも見事に馴染んでいます。

愛媛県 K様邸

古民家・和の雰囲気にもマッチ

チタン扉のペニンシュラキッチンが築130年以上の古民家の雰囲気にマッチした事例です。古いものと新しいものが上手く融合した空間になっています。

キッチンで作業中もリビングを見渡せ、限られたスペースでもキッチンを快適に使えるようにキッチンの配置にも工夫がされています。

水の森の家

ペニンシュラキッチンに手元隠しや腰壁をつけるなら、納得のいく高さを選ぶだけでなく、つける目的を明確にすることが大切です。

後悔しないためにもショールームへ足を運び、実際にキッチンを体感してみましょう。少しでも迷ったり悩んだりしたら、ショールームの担当者に相談してみてください。プロのアドバイスがあれば、きっとあなたの悩みは解決するはずです。