システムキッチンとは？賃貸の導入可否など気になる疑問に回答

戸建てや分譲マンションで人気のシステムキッチン。「名前は聞いたことあるけど、なんのことか分からない」「今住んでいる賃貸にも導入できるのかな」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

今回はシステムキッチンの概要や賃貸物件への導入可否など、気になる疑問を解説していきます。

そもそもシステムキッチンとは、どんなキッチンのことをさすのでしょうか。システムキッチンの概要やレイアウトの種類をチェックしていきましょう。

システムキッチンとはガス・IHコンロが一体になっているもの

キッチンに組み込まれたガス・IHのことをビルトインコンロと言います。システムキッチンは基本的にビルトインコンロで、シンク・作業台・ガス（IH）コンロがワークトップ（天板）で繋がれ一体型になっているキッチンのことです。

システムキッチンではないキッチンのことをブロックキッチンやキッチンセットと呼びます。シンク・作業台・ガス（IH）コンロがそれぞれ別になっており、組み合わせて設置するのが特徴です。

システムキッチンが登場するまではブロックキッチンが主流でしたが、今では新築やリフォーム時にブロックキッチンを選ぶ人は稀で、ほとんどの人がおしゃれで機能的なシステムキッチンを選びます。

トーヨーキッチンスタイルでは、ニーズに合わせて様々なシステムキッチンを提供しています。ぜひこちらもご覧ください。

システムキッチン

システムキッチンのレイアウトには、さまざまな形があります。それぞれのレイアウトの特徴を知ることで、自分にとって使いやすいレイアウトが分かり、理想のキッチンがイメージしやすくなります。

アイランドキッチン

アイランドキッチンは、島のように独立した形のキッチンのことです。長方形や正方形、V字型など形も豊富。デザイン性に優れ、見た目のインパクトが強いキッチンのため、自然にLDKの中心的存在になります。アイランドキッチンは目立ちやすいことから、LDKの雰囲気と調和させ、統一感を持たせることがすっきりと空間内に収めるポイントです。

壁や仕切りに接している面がないため、キッチンで作業中も窮屈に感じることはなく、開放感があります。四方に通路が必要なことから、設置には目安として約6畳のスペースが必要だとされていますが、オーダーメイドでコンパクトにすることも可能です。

アイランドキッチン

ペニンシュラキッチン

コンロ側の右左どちらかが壁に接しているキッチンのことをペニンシュラキッチンと言います。アイランドキッチンと同じく対面式で開放感があり、作業中も家族やお客さまとコミュニケーションが取りやすいのが魅力です。

片側が壁に接しているため通路が必要ないことから、アイランドキッチンと比べて作業動線は若干悪くなるものの、省スペースで設置できます。

ペニンシュラキッチン

I型キッチン

シンク・作業台・ガス（IH）コンロの3つが横並びになったレイアウトのキッチンが、I型キッチンです。ファミリー向けの賃貸物件で一番よく見かける、最もベーシックな形のキッチンと言えます。

対面式の場合は開放感があり、目の離せない小さな子どもにも目が届きやすいのがメリットです。腰壁やカウンターを設置することもできるので、あまり人に見られたくない手元部分を隠すことも可能。壁付きにすれば最小限のスペースで設置できるため、ダイニングやリビングのスペースを広くとれます。

I型の間口は180〜210cmが一般的ですが、高級賃貸物件ではさらに大きなサイズのものを採用している場合もあります。その場合は、ディスポーザー（生ごみ処理機）や食器洗い乾燥機が組み込まれており、収納量が多いだけでなく機能性が増している場合がほとんどです。

シンク・作業台・ガス（IH）コンロがワークトップで繋がれ、一体化しているのが特徴のシステムキッチン。新築やリフォームでは、システムキッチンを選ぶ人が圧倒的に多いです。ここからは、システムキッチンが人気の理由を詳しく解説していきます。

デザイン性・統一感が高くおしゃれなキッチンが多い

システムキッチンはワークトップやキッチン扉の色や素材を自分の好みや部屋の雰囲気に合わせて自由に選べるので、デザイン性や統一性が高くおしゃれなキッチンになります。

一体化していないブロックキッチンの据え置き型のコンロは、ガス栓やガスホースがむき出しになってしまうため、見た目がすっきりしているとは言えません。一方、システムキッチンではコンロがキッチン本体に組み込まれているため、とてもすっきりとした印象になります。

機能性も充実している

システムキッチンはワークトップやキッチン扉の色や素材を選べるだけでなく、組み込む設備も自由に選ぶことができます。生活スタイルや好みに合わせて、食器洗い乾燥機やビルトインオーブンなど機能性の高い設備を選ぶことで、機能面においても充実したシステムキッチンにすることが可能です。

収納力も十分

システムキッチンは、収納力の高さも魅力の一つです。引き出しタイプの収納は、大容量の収納空間。腰をかがめることもなく動線のムダもありません。大型鍋もお皿もラクラク入り、調理の幅も広がります。

最小限の動きで作業ができるように工夫されているうえに、大容量の収納スペースが確保されていることも人気の理由の一つです。

お手入れしやすい

キッチンは毎日使う場所なので、定期的にお手入れをしないと油汚れや水垢などの汚れが溜まってしまいます。キッチンを清潔に保つためにも、お手入れのしやすさは重要ポイントでしょう。システムキッチンは、シンク・作業台・ガス（IH）コンロがワークトップで繋がっており、隙間や繋ぎ目や少ないため清掃性が高いのが特徴です。

汚れてもお手入れしやすいレンジフードや排水口などの設備を選んだり、そもそも汚れがつきにくい素材を選んだりすることで手間もかからず、お手入れが億劫ではなくなります。

自分の好みや使い勝手に合わせて、自由に素材や設備をカスタマイズできるシステムキッチン。人を惹きつける魅力が満載のおしゃれなシステムキッチンの事例を4つご紹介します。

V字のレイアウトが特徴的なキッチン

iNO V-LANDは一度見たら忘れられない、V字型のアイランドキッチンです。これまでの長方形のキッチンにはない、135度の角度がついた特徴的なレイアウトやデザイン性の高さは、見る人の心をとらえて離しません。

「洗う・切る・盛り付ける」といった作業をシンクの中で完結できる「パラレロ」シンクを採用しており、調理中の横移動が極限のゼロ。V字の中心に立つことで、シンクとコンロでの作業が体の向きを変えるだけですむことから、体への負担も少なく調理の時短になるのも魅力です。

LDKの中でもひときわ存在感のあるV字型のキッチンを間取りの中心に置くことで、作業中も自然と視線が広がり、まるでステージに立っているかのような感覚が楽しめます。個性的なキッチンを囲むように放射線状に人が集まりやすく、人と人が程よい距離でつながるのもポイント。ホームパーティーや食事会などで多くの人が集まるときにも、複数人で作業がしやすく会話も弾みます。

見た目のデザイン性の高さだけでなく、機能的で使いやすさにもこだわったキッチンです。

東京都 シンガー様邸

シンプルで開放感のあるキッチン

キッチンとダイニングテーブルが一体になったiNO CD-LANDは、幅3.64m・奥行き1.46m。LDKの広々とした空間に、シンプルでかっこいいインテリアのようなキッチンがすっきりと収まっています。

オーナー様はモデル兼料理研究家。キッチンの機能面におけるプロのこだわりにも応えてくれる、カスタマイズの豊富さもiNOシリーズならではの魅力です。家庭用で世界最大の「Gシンク」を採用しているため、葉つき大根や大きな魚の調理もしやすく使い勝手は抜群とのこと。水しぶきのイメージをメタリックカラーで表現した「スプラッシュブラック」の扉や、流氷をイメージした「アイス」のワークトップは、シンプルながらも力強さや高級感を感じさせます。

LDKはキッチンをベースに設計されただけあり、計算された開放感のある眺めが楽しめます。 キッチン横の大きな窓や吹き抜けからは、外の様子や2階にいる家族の様子も確認も容易にでき、家族がそれぞれ違う場所にいてもつながりを感じられるのもうれしいポイントです。

千葉県 中村様邸

壁面がゴージャスな雰囲気を引き立たせるキッチン

扉カラーの「キルト」が柔らかな輝きを放つ、iNO I-LANDのペニンシュラキッチン。

アラベスク（唐草）を描いたパターンの壁面や床面に使われているSICISのベネツィアンモザイクタイルは、揮発性の高い鉱物を原料としているため、1枚ごとに表情が異なるのが魅力です。

壁面や床面のモザイクタイルがゴージャスな雰囲気を引き立たせるキッチンは、LDKに置かれたアンティーク調の家具との調和も見事。

さらに、オーナメントにクリスタルガラスを使用したシャンデリア「クランカーLED 120」がより一層空間を華やかに演出しています。

愛媛県 K様邸

コンパクトでも機能が充実したキッチン

設置にスペースが必要なアイランドキッチンに魅力を感じていながらも、LDKがあまり広くなかったことからキッチンを迷われていたオーナーさま。トーヨーキッチンスタイルのゼロ動線キッチンiNO I-LANDを採用することで、コンパクトに収まりながらもデザイン性、機能性も十分で、空間的にもバランスが取れたキッチンになっています。

無垢材を多く取り入れた思い入れのある素材を使いたいというオーナー様の想いもあり、キッチンの扉カラーには相性のいい「スモーク」を選択。柱や建具をキッチンの扉の色に合わせて黒く塗ったことで、扉の色が引き立ち、部屋全体の統一感も生まれています。

無駄な動きのないゼロ動線・豊富なデザインのバリエーション・大容量の収納と3拍子揃った、まさにトーヨーキッチンスタイルのキッチンありきの空間と言えます。

東京都 F様邸

システムキッチンについてよくある質問をまとめました。新築やリフォームでシステムキッチンを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

システムキッチンか否かはどこを見ればわかる？

システムキッチンは、シンク・作業台・ガス（IH）コンロがワークトップで繋がれ、一体化しているのが特徴です。

システムキッチンではないキッチンのことをブロックキッチンと言いますが、コンロ部分が据え置き型のテーブルコンロになります。賃貸では自分でコンロを準備する必要があるため、コンロ台のサイズ以外にも、ガスコンロなのか電気やIHなどのコンロなのか確認することが大切です。

賃貸でもシステムキッチンを導入することはできる？

賃貸物件でもシステムキッチンを導入することが可能な場合もあります。希望するリフォームの内容によってはできない場合もあるため、必ず事前に管理規約や管理会社に確認することが重要です。

戸建てに比べると、賃貸マンションはリフォームをするにあたっての制約が多くなります。事前に管理規約を確認したり管理会社へ相談したりせずに、リフォームの計画を進めてしまうと、制約に引っ掛かり、結果的に計画が水の泡になってしまう可能性もあるため十分注意してください。

システムキッチンのリフォームにかかる費用は？

システムキッチンはレイアウトによって、キッチンの本体価格やリフォームの工事費用が異なります。4つの代表的なレイアウト別に、それぞれのキッチンの目安となる本体価格をご紹介します。

・アイランドキッチン（80万～350万）
アイランドキッチンは、最も費用が高くなりやすいレイアウトのキッチンです。島のように存在感のあるアイランドキッチンはLDK空間の中心となるため、見た目のデザイン性や素材の品質にこだわりたくなる人も多く、費用が跳ね上がりがちです。

・ペニンシュラキッチン（60万～250万）
I型キッチンよりも価格帯は高めですが、開放感と使い勝手のバランスが取れたキッチンです。キッチンで作業中でも小さな子どもに目が届きやすいため、特に若いファミリー層に人気があります。

・I型キッチン（50万～250万）
費用を抑えたいなら、I型キッチンがおすすめです。壁付きタイプにすると、最小限のキッチン本体だけのスペースで設置できるため、場所も取りません。ダイニングやリビングの広さを確保したいときも最適です。

工事費用については、もともと壁付きだったキッチンを対面式にリフォームする場合、キッチンの位置や向きが変わるため高くなる傾向にあります。キッチン周辺の床や壁の修理も必要になってくるからです。ガス管や排水管の延長が必要な場合もあり、さらに費用がかかる場合もあります。

システムキッチンのリフォームにかかる期間は？

キッチンリフォームにかかる期間は、リフォームの内容によって変わってきます。1日で済むものから、数か月かかるものまでさまざまです。

・キッチン本体の交換のみ（1日～3日）
キッチンをもとの位置から移動することなく本体だけを交換する小規模リフォームであれば、1日～3日程で完了します。

・内装変更を伴うキッチンのリフォーム（2日～6日）
キッチン本体の交換に加えて、キッチン周りの壁紙や床材といった内装も変更することでキッチンのイメージや雰囲気をガラリと変える中規模のリフォームです。

工期の目安としては、2日〜6日程度かかります。大工工事の期間が長くなり、内装業者も出入りする点が小規模リフォームと異なる点です。

・レイアウト変更を伴うキッチンのリフォーム（1週間～1か月）
キッチンのレイアウトを変更するリフォームの場合、1週間〜1か月程度かかります。レイアウトの変更とは、I型のキッチンをL型キッチンに変更したり、ペニンシュラキッチンをアイランドキッチンに変更したりすることです。

キッチンのレイアウトだけでなく間取りの変更を伴うとなると、2ヶ月〜3ヶ月程度かかる場合もあります。柱や壁など家自体の構造にも大きな影響があるため、大規模な工事となります。電気や水道が使えなくなる期間も長く私生活に影響が出るため、事前準備が大切です。

リフォームの流れとしては、以下を参考にしてください。

1. リフォーム可否の確認、希望のレイアウトや予算決めなど事前準備


2. リフォーム業者に相談


3. リフォーム業者による現地調査、見積書提出


4. プラン内容確認後、問題なければ契約締結


5. 工事開始

システムキッチンを実際に見たい場合はどうしたらいい？

システムキッチンが多数展示されている、ショールームに行かれることをおすすめします。ショールームでは、インターネットや紙カタログを見るだけでは判断しにくい、使い勝手やサイズ感などを実際に体感することができるからです。専門の知識を持ったプロに相談もできますし、疑問点があれば気軽に質問することもできます。ぜひショールームに足を運んでみてください。

システムキッチンはデザイン性の高さだけでなく、充実した機能性を併せ持つことが最大の魅力です。賃貸へのシステムキッチンの導入可否を確認し、導入できることが分かったら、まずは自分にとって使いやすいレイアウトを知ることが大切です。それぞれのレイアウトの特徴を知り、使い勝手をイメージしながら選んでみてください。使いやすいレイアウトは、生活スタイルや家族構成などによっても異なるため、少しでも迷ったらショールームへ行ってプロに相談してみましょう。

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