マンションのキッチンはリフォームできる？レイアウトやオプションを解説

マンション暮らしでキッチンに不満があっても、そもそもリフォームができるのか疑問を抱く方は多いでしょう。

この記事では、マンションのキッチンリフォームで実現できるレイアウトやオプションを紹介します。また、キッチンのリフォームでよくある質問もまとめているので、リフォームを検討する前に、ぜひご覧ください。

マンションのキッチンリフォームは可能です。一見するとリフォーム禁止と思われがちな賃貸マンションでも、できる場合があります。

ただし、マンションは賃貸か分譲かに関わらず、構造上や管理規約上の制約が戸建住宅より多いため、管理規約によっては理想のキッチンに作り替えられない可能性もあります。マンションのキッチンリフォームを検討する際は管理会社へリフォームの相談を行いましょう。

もし、大規模なリフォームが難しい場合、古くなった壁紙やキッチンの収納扉を交換するだけでも部屋の雰囲気を変えられます。マンションの管理規約と自分の希望に折り合いをつけて、リフォームに着手するのがベストです。

キッチンのリフォームでできる、以下の3種類の特徴をご紹介します。

• 対面式・アイランド型


• 対面式・ペニンシュラ型


• 壁付き・I型

キッチンリフォームを検討する際に参考にしてください。

対面式・アイランド型

対面式のアイランド型は、壁に付いていないキッチンが完全に独立しているレイアウトです。アイランドキッチンは、キッチンがLDKのインテリアの1つになるため、スタイリッシュな空間を演出できます。

アイランドキッチンは、キッチンの反対側から作業ができるだけでなく、キッチンの両側に導線を確保するため、最も複数人での作業しやすいレイアウトです。作業効率アップが期待できるため、ホームパーティーや料理教室をするなど、複数人で調理する機会が多い方には最適なレイアウトといえます。

対面式・ペニンシュラ型

壁に付いていない対面式の中でも、キッチンの左右のどちらかが壁に面しているレイアウトは「ペニンシュラ型」と呼ばれます。ペニンシュラ型は、キッチンの一部が壁付けされているためスペースを節約し、対面式のレイアウトにしたい方には最適のレイアウトです。

片付けが苦手で、対面式キッチンの設置を諦めた方には、キッチンの壁付けされた側に居室と隔てる壁を目隠しに設置するレイアウトをおすすめします。目隠しによって、居室からの視線を遮る場所ができるため、片付けのハードルを下げられます。

特に現在のキッチンが壁付きの場合、対面式にリフォームするには大規模な工事となります。レイアウトを変更できるか、最初にリフォーム会社に相談してみてください。

壁付き・I型

壁付きのI型は、シンク・作業台・コンロが一列に配置されるレイアウトです。最も省スペースに配置できるため、限られたスペースを有効活用する必要がある賃貸マンションでは、壁付きのI型が多く採用されています。

壁に向かって作業をするため、凝った料理やお菓子作りなどが趣味で、調理に集中して取り組みたい方に向いています。

マンションのキッチンの悩みを解決できる、リフォームのオプションを解説します。

開放感のあるキッチンにしたいなら対面式キッチン

壁付きキッチンでの調理に孤独感を覚えている方には、対面式のレイアウトへの変更をおすすめします。対面式キッチンにレイアウトを変えれば、開放的で明るい空間での作業が可能です。

ただし、マンションのリフォームでは配管を移動できずレイアウトを変更できない可能性があります。管理会社への管理規約の確認を行い、レイアウト変更ができるか確認をしましょう。

収納力を上げたいなら引き出しタイプ

開き戸タイプの収納に不便さを感じている方には、引き出しタイプのキッチンへのリフォームが最適です。

開き戸タイプの収納スペースは、普段使いしない家電のような大型のものの収納に向いている一方で、カラトリーなどの小物の収納には不向きです。開き戸タイプの収納スペースを有効活用して小物を収納するには、テクニックが必要になります。うまく収納できずデットスペースが多くなってしまえば、収納スペースの無駄遣いに。

キッチンでは、カトラリーなどの小物を使用する機会が多いため、引出タイプの収納を採用すれば空間を有効に使えるでしょう。

さらに収納力が欲しいなら背面収納

マンションに住み始めた頃と比べ、食器や家電などが増えて収納スペース自体が不足する悩みはありがちです。今よりも収納力を上げる方法として、背面収納があります。

対面式キッチンの反対側の壁に背面収納があれば、収納スペースの十分な確保が可能です。背面収納の一部を家電置き場にすれば、作業の効率化も実現できます。

また、普段使いしない家電など大型のものの収納には、開き戸タイプの収納がおすすめです。とはいえ、開き戸を設置する際、扉を開けるスペースの確保が必要です。リフォームしたキッチンで別の不便さが生じないように、リフォーム会社とは入念に打ち合わせをしましょう。

オール電化にしたいならIHコンロ

リフォームを機にオール電化とし、熱源をIHコンロへ変更するリフォームはよくあるケースです。マンションでも、キッチンリフォームでIHコンロへの変更ができます。

ただし、ほとんどのマンションでは一戸あたりに供給できる電気容量が決まっています。IHコンロを設置すれば、約20Aをプラスで消費する計算です。IHコンロの設置を考えている方は、調理と並行して使う家電をピックアップし、それらの家電とIHコンロを一緒に稼働しても供給可能な電気容量内か、を必ず確認しましょう。

気分を変えたいなら壁紙や扉を変えるだけでおしゃれに

キッチンの使用に不便さを感じていなくても、印象を変えるためにリフォームをするケースもあります。

キッチンは油や水がはねるため、壁が汚れてしまいがちなスペースです。掃除をしやすい材質や臭いを吸収する材質など、新たな技術で開発された壁紙が多くあります。サンプルを取り寄せてお気に入りを探してみると、リフォーム後のキッチンのイメージがわくはずです。壁紙と一緒にキッチンの扉も交換すれば、自分好みのおしゃれな空間が演出でき、キッチンの印象をトータルで変えられます。

マンションのキッチンリフォームは、戸建のリフォームと比べて多くの制約があります。リフォームに失敗して後悔したり、近隣とのトラブルが発生し住み心地が悪くなったりしないよう、注意点を守ってリフォームの検討をしていきましょう。

マンションの管理規約を確認する

マンションでは使用可能な床材を階下への遮音目的で限定する、など管理規約で制約を設けている場合がほとんどです。管理規約の違反は制裁を受ける対象となるため、リフォームをする際には、管理規約は必ず守らなければいけません。

マンションでキッチンリフォームを検討する際、管理規約の確認は必須です。もし、記載内容に不明点があれば、管理会社へ確認して疑問をクリアにしてから、キッチンリフォームの計画をたてましょう。

マンションのリフォームが得意な業者を選ぶ

制約の多いマンションのリフォームには、マンションでの施工経験が豊富な業者を選べば、安心してお任せできるはずです。

とはいえ、マンションのリフォームが得意な業者探しに苦戦している方もいます。おすすめは、複数の会社に見積もりを依頼し、具体的な提案をしてくれる業者を探す方法です。経験豊富であれば、見積の段階で希望のリフォームが実現できるのか、アドバイスしてもらえる可能性もあります。

一社のみではなく複数社から相見積もりを取る

見積もりを取る際には、複数社から見積もりを取るようにしてください。

一社だけの見積だと金額として妥当か、マンションのリフォームが得意かといった詳しい情報がわかりません。スムーズにリフォームに着手するには、面倒でも複数社から見積もりを取って、金額が妥当性やキッチンのリフォームが得意な業者か判断をしてください。

金額面で業者の選択に迷った際に、他社の見積金額を提示すれば値引きをしてもらえる場合もあるため、複数社への見積もり依頼をおすすめします。

工事が決まったら管理会社や近隣住民にお知らせをする

実際に工事の日時や作業内容が決まったら、管理会社や近隣住民にお知らせをしましょう。

マンションやリフォームの内容によっては、多くの書類の提出が必要な場合もあるため、管理会社へ確認をしましょう。また、工事期間中は、業者がマンション内に出入りしたり、騒音が発生したりもします。近隣トラブルにならないように、ご迷惑をおかけすることを丁重にご挨拶しておくようにしてください。

マンションのキッチンリフォームの計画を具体的に進めていくほど、新たな疑問が生まれるでしょう。次は、キッチンリフォームでよくある質問を解説します。

マンションの管理規約はどのように確認すればいい？

管理規約は、マンションの管理組合の決議で選任された管理者が、保管しています。マンションの建物内の目につきやすい場所に、管理規約の保管場所が掲示されているので、掲示内容を参考に、まずは管理者に連絡を取りましょう（※1）。

管理規約を閲覧する際には、第4章第17条の「専有部分の修繕等」の項目が重要なポイントになります。キッチンリフォームのほとんどの場合、理事長に届け出が必要です。必ず管理規約の管理者に閲覧を希望し、内容を確認してください。

（※1）参考：不動産問題に強い弁護士に無料相談｜東京・神奈川・埼玉・千葉｜泉総合法律事務所「マンション管理規約には何が定められている？主な内容・入手方法」

マンションのキッチンリフォームはいつ頃するべき？

キッチンリフォームは、一般的には15～20年を目安に行うとよいとされています。とはいえ、キッチンを使う方など使用頻度が高い場合は、目安の年数を経過していなくても、キッチンの部品に不具合が生じる可能性は高いです。故障や劣化で使用に不便さが発生した際もリフォームを検討するタイミングといえます。

他にも、子どもが生まれたり、両親を迎え入れたりと家族構成が変わるときや使い勝手に不便さを感じたとき、新しいシステムキッチンがほしくなったときがリフォームのタイミングです。

実際にいろんなキッチンを見て検討したい場合はどうすればいい？

マンションでリフォームを検討する際、どんなキッチンがあるか実際に見たり、試したりしたい方には、キッチンのショールームに行くことをおすすめします。

使用感の体験や素材の触り心地や大きさを確認できるため、キッチンのリフォームでどんな空間になるか、イメージが湧くはずです。また、ショールームのスタッフに相談すれば、リフォームのアドバイスをもらえるかもしれません。

ぜひ、ショールームを見学して、リフォームのイメージを膨らませてください。

マンションでも、キッチンのリフォームは可能です。今抱えている悩みを解消するキッチンにリフォームすれば、料理をする際に感じていたストレスが軽減され、キッチンに立つのが楽しくなるはずです。リフォームを検討している今こそが、リフォームを行う最適な時期ともいえます。

ぜひ、ショールームに足を運んでプロに相談し、悩みを解消できるキッチンリフォームを検討してみてください。