マンションでシステムキッチンが導入できる？リフォーム手順を徹底解説

マンションのキッチンをシステムキッチンにしたいけれど「リフォームが可能なのかわからない」「予算の範囲で収まるのか？」と疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。マンションのリフォームは戸建てにはない制約があるため注意が必要です。

この記事では、住んでいるマンションのキッチンでどのようなリフォームが可能か判断する方法や、リフォームの手順、費用相場について解説していきます。

マンションのリフォームは規制が多く、知らずに話を進めるとリフォームがスムーズにいかなかったり、近隣の方とトラブルになったりしかねません。

そこでまずは、お住まいのマンションでシステムキッチンが導入できるのか判断するポイントや事前の準備についてご説明していきます。

まずはマンションの管理規約を確認

マンションでリフォームを行う場合、まずは管理規約を確認してリフォームできる範囲や内容を調べます。梁や撤去できない壁構造、給排水設備やダクト、電気の配線のチェックなども必要です。

管理規約が見つからない場合は管理組合に連絡すると取り寄せることができます。

この段階で希望するリフォームが可能かどうかが決まりますので、よくわからない場合には管理会社やリフォームのプロなどに相談してできる範囲を理解してからリフォーム内容を決めていきましょう。

ガスからIHに変更する場合は電力会社に確認

ガスからIHに変更を希望する場合は、IHが設置可能かどうか確認が必要です。

IHヒーターへ切り替えをする際には200Vの電圧が必要なものが多く、電気容量も50アンペア程度必要になります。アンペア数の変更だけでなく、電圧が足りないと場合にはそのための工事をしなければなりません。

集合住宅では1軒あたりの電気供給量が限られているため勝手に工事はできません。ですので、IHの設置が可能かどうか、管理組合や電力会社に確認してから決めましょう。

工事日程が決まったら管理会社・近隣住民に知らせる

リフォーム中は機械の搬入や騒音など近隣の方に迷惑をかけてしまうことがありますので、前もってお知らせしておきましょう。

また業者の車の駐車場所やエレベーターの使用などで管理人の手を煩わせることも出てきますので、管理人にもお願いをしておきます。

時期は工事の始まる1週間前に、両隣と上下階の部屋それぞれ3軒分、エレベーター前のお宅にあいさつに行きます。リフォームが長期にわたる場合には簡単な手土産を用意していくと良いでしょう。

マンションでシステムキッチンを導入する場合にかかる費用は、キッチンの種類とグレード、レイアウトの変更を伴うかで変わってきます。

壁付けキッチン、対面式キッチンのリフォーム費用の相場と、それぞれの特徴も合わせてご紹介していきます。

対面アイランド型のシステムキッチン：80万円〜350万円

アイランド型は、キッチンのどこも壁についていない島のような形のキッチンです。両サイドから出入りでき、作業する立ち位置も広いため複数人で同時に料理ができるメリットがあります。家族とのコミュニケーションもとりやすいため人気のキッチンタイプです。

デメリットは、両側に通路を確保しなければならずその分広いスペースを必要とすることです。また、吊り戸棚がなく、キッチン周りは通路を兼ねており棚やワゴンなども配置できないため、収納スペースが不足することもよくあります。

アイランド型キッチンのリフォーム費用の相場は、80〜350万円となっています。アイランド型キッチンは独立した設備ですので、壁付けキッチンと比べキッチンそのものが強度の高い仕様になっており、価格はグッとアップします。ペニンシュラ型と同様に大がかりな工事になりますので、工期は長く費用は最も高いリフォームになります。

アイランドキッチン

壁付けのシステムキッチン：65～250万円

壁付けのキッチンは、正面が壁向きになっていて、コンロからシンクまで横移動で作業するタイプです。最もコンパクトなキッチンですので、リビングやダイニングが広くとれるメリットがあります。

デメリットはキッチンが丸見えになることと、家族との会話がしにくいことです。

壁付けのシステムキッチンから同じタイプのキッチンに入れ替える場合、リフォーム費用の相場は65〜250万円です。

またグレードの高いシステムキッチンを選んだり、食洗機などのオプションを付ける事でも費用は変わってきます。

壁付けキッチン

対面ペニンシュラ型のシステムキッチン：75～280万円

対面式は、壁とダイニング・リビングの間に設置されたキッチンのことです。
リビング向きになっているので調理中でも家族の様子がわかり、会話もしやすいメリットがあります。吊り戸棚がないため開放的で明るいイメージのキッチンです。

デメリットは煙や臭い、油跳ねが広がりやすいことで、強力な換気扇を設置するなど対策が必要です。

ペニンシュラ型は左右どちらかが壁についているタイプのことで、片側だけ通路幅を取ればいいので狭めの部屋でも設置しやすいメリットがあります。

ペニンシュラ型キッチンのリフォーム費用の相場は、75〜280万円となっています。金額に幅があるのは、キッチンそのもののサイズやグレードによる違いのほかに、どこまで工事をするのか内容によって大きく変わってくるからです。

対面式の場合には給排水管の移動や、レンジフードの排気ダクトの繋ぎ直しなど大がかりな工事が必要になってきます。床材や壁紙の張替えなども伴いますし、工事も期間が長くなることがあります。

ペニンシュラキッチン

マンションでシステムキッチンを導入するリフォームの手順についてご説明します。集合住宅ならではの内容や段取りがあり、手順に従ってリフォームを進めることで失敗のないリフォームが行えます。

ステップ①：キッチンのリフォームイメージを固める

どのようなキッチンにしたいのか具体的に考えてみましょう。古いキッチンを最新設備にしたいのか、壁付けのキッチンを対面式に変更したいのか、出来上がりのキッチンのイメージを明確にしておきます。

その上で業者と打ち合わせをすると、要望がより伝わりやすくなり、業者からの提案もしやすくなるからです。

ステップ②：システムキッチンの導入可否を確認する

マンションの管理規約を確認し、システムキッチンの導入が可能であるか、またどのタイプなら取り入れられるか検討します。そのマンションの規約と自室の構造からできる範囲のベストなリフォームプランを考えましょう。

この段階で希望するシステムキッチンの導入が不可能だとわかれば新たなプランを立てて、リフォームイメージを修正していくことになります。

ステップ③：マンションのリフォーム会社を探す

マンションにシステムキッチンを導入する際は、水回りのリフォームが得意、またはマンションのリフォームが得意かに注目してリフォーム会社を探しましょう。

水回りが得意な業者はキッチンリフォームの実績も多く、仕入れが大量なため費用を抑えることができます。また経験豊富な職人が多くいたりとメリットがたくさんあります。

マンションのリフォームが得意な会社は管理規約やマンションの構造に詳しいため、実際の部屋に即した提案が期待できるからです。マンションの住民との付き合い方にも慣れているため無用なトラブルを回避することもできます。

ステップ④：複数のリフォーム会社にプラン・見積りを提案してもらう

リフォーム会社を決める前に複数の会社に見積りしてもらいましょう。実際のキッチンを見てもらい（現地調査）いくつかのプランを提出してもらうことで、費用の相場もわかり、それぞれの内容の違いや金額も比べられ、最適な選択ができるからです。

最初から1つの会社に絞るとそのチャンスがなくなりますのでおすすめできません。

ステップ⑤：希望のプランのリフォーム会社と契約を結ぶ

複数のプランを比較し、最もリフォームイメージに近く、予算に合った会社を選びます。比較する際はそれぞれの見積りの中身をしっかり確認し、内容や見積りに含まれない費用がないかなど担当者から説明を受けましょう。

会社によって見積りの記載方法は異なるため、はっきりしない点や疑問があれば遠慮せず質問して、納得できる業者を選ぶことで希望に近いリフォームが可能になります。

ステップ⑥：システムキッチンのリフォームに着手

契約を結んだら後はリフォームに着手します。工事の前には管理人と近隣の方へのあいさつを忘れないようにしましょう。

マンションのリフォームは管理規約の確認など戸建てにはない注意点や手続きがありますが、手順に沿って進めていくことで満足度の高いリフォームにつながります。

マンションのシステムキッチン導入に失敗しないためにはポイントを押さえることが重要です。以下の項目は特に注意が必要ですので、対策もあげて解説していきます。

①マンションのリフォームが得意な業者を選ぶ

マンションでシステムキッチンを導入するリフォームを行う場合、管理規約や建物の構造上の制限を熟知しておくことが肝心です。

マンションリフォームの得意な業者なら、確認しなければならない項目や見るべき構造の部位を押さえているため、話し合いがスムーズに進められます。確認不足の心配もいりませんし、希望するリフォームが実現不可能な場合に要望に近い新たな提案をしてくれます。

また、集合住宅の住民対応にも慣れているため、近隣住民とのトラブル回避も心得ている点でもおすすめです。

マンションリフォームの実績があるかどうかわからない会社の場合には、見積りの段階でこれまでのマンションリフォームの施行例などを見せてもらいましょう。自分の希望に近い施行例があるとより安心です。

②キッチンの位置変更やIH切り替えなどが自由に行えない場合も

マンションのキッチンリフォームが難しい点には、キッチンの位置変更とIH切り替え、レンジフードの移動などがあげられます。

自室の給排水設備の設置の仕方によっては排水管の移動などが難しいため、キッチンの位置変更ができないことがあります。壁付けキッチンから対面式に変更を希望しても不可能ということです。

また、IHヒーターへ切り替えをする際には200Vの電圧が必要なものが多く、電気容量も50アンペア程度必要です。しかし集合住宅では1軒あたりの電気供給量が限られているため、設置ができるかはそのマンションの規約次第となります。

さらに、レンジフードの移動には排気ダクトの繋ぎ直しが必要となり、マンションの場合には構造的に希望の位置に繋げられないこともあります。

これらの問題点についてはプランの段階ではっきりさせておくことができますので、わかった時点で別の候補をあげましょう。キッチンのイメージは変わるでしょうが、リフォーム前にわかって新たなプランを考えることができれば、より満足のいくリフォームに近づけることが可能になります。

③対面式のシステムキッチンを選ぶと部屋が狭く感じることも

対面式のキッチン、特にアイランド型キッチンは四方に通路も兼ねたスペースを取らねばならず広いスペースを必要とします。これまでの壁付けキッチンでは要らなかった場所も通路用として必要ですので、その分ダイニングやリビングが狭くなります。

また、部屋が手狭になるだけでなく、設置しようとしていた家具が入らないことになると買い替えが必要になるかもしれません。

プランの段階で狭くなることがわかったなら、システムキッチンのサイズを奥行きの小さい小型サイズに変更してみましょう。また、リフォーム前にあるものをリフォーム後の図面に置いてみて、家具が入るか確認することもおすすめです。

マンションでシステムキッチンを導入するためには、戸建てにはない準備や注意点が多々あります。マンションのリフォームの手順を知り、制約などをしっかり事前に確認し、マンションリフォーム経験豊富な業者を選ぶことで、リフォームがスムーズに進むだけでなく費用を抑えることができます。

リフォームのイメージが曖昧で明確にならないときや、迷って決められないときはシステムキッチンのショールームへ行ってプロに相談してみるのもおすすめです。

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