システムキッチンで木目調のおしゃれな事例集｜メリット・デメリットも解説

色味や質感、デザインの幅広さから、ナチュラル・シック・モダンなどさまざまテイストの家に合わせやすい木目調のデザイン。木目調のおしゃれなシステムキッチンにしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、木目調をおしゃれに取り入れたシステムキッチンの事例を紹介していきます。システムキッチンを木目調にするメリットやデメリット、木目調をおしゃれに取り入れるコツなども併せて解説していきますので、木目調のキッチンを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

木目調のシステムキッチンとは、木目の模様や質感を持つ素材やデザインを取り入れたキッチンのことを言います。

木目調のキッチンでは、天然の木材である無垢材を使用する方法と、木目調デザインのシートを使用する方法があります。無垢材を使用したキッチンは、本物の木材ならではの質感やナチュラルであたたかみのある雰囲気が魅力です。一方、木目調デザインのシートを使用したキッチンは実際には木材を使用していませんが、耐久性が高くデザインの幅が広いのが特徴です。

キッチンを全面的に木目調にするのではなく、雰囲気に合わせて木目調を部分的に取り入れるのが一般的です。具体的には、キッチンの腰壁や扉、背面収納の扉などを一部分を木目調にすることが多い傾向にあります。

一口に木目調と言っても、色味や木目の模様、質感はさまざまで、自分の好みや家のテイストに合わせて選ぶことができます。フローリングとの相性もいいため、フローリングの色と木目調の色をうまく組み合わせることで、自然を感じる落ち着いた雰囲気のキッチンにすることも可能です。

木のぬくもりを感じられる木目調ですが、システムキッチンに取り入れるメリットはどういったものがあるのでしょうか。一つひとつ見ていきましょう。

部屋の雰囲気と合わせやすい

デザインが豊富で、さまざまなテイストの家具や雰囲気にも合わせやすいのが木目調の特徴です。木目調のデザインは自然の色を取り入れているので、派手な印象になりすぎることなくうまく空間に溶け込みます。

木目調と言えば、ナチュラルやカントリー調のキッチンにしか合わないと思われがちです。しかし、木目調の色味や質感、取り入れる範囲などによっては、スタイリッシュやモダンな雰囲気のキッチンに合わせることもできます。

汚れが目立ちにくい

木目調には、汚れが目立ちにくいというメリットもあります。キッチンの定番色であるホワイトよりも茶色い木目調の方が汚れが目立ちにくく、日頃のメンテナンスがラクだという理由から木目調を選ぶ方もいます。

キッチンは家の中でも特に汚れやすい場所なので、多少汚れていても目立ちにくいのは嬉しいポイントです。

無垢材であれば経年変化を楽しめる

無垢材の最大の魅力と言えば、経年変化を楽しめることです。無垢材の経年変化とは、時間が経つほど深みのある色に変化したり、質感が変化したりすることを言います。

経年変化は木の特性である変色や収縮が原因で起こります。デメリットとして挙げられることもありますが、キッチンを長く使えば使うほど味がでるので、変化していく「経年美」を楽しめることも無垢材キッチンの醍醐味と言えるでしょう。

無垢材のキッチンを美しく保つためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。水や油はその都度きれいに拭き取り、傷や汚れは専用のクリーナーや補修材を使用して直していきましょう。日焼けを防ぐためにも、カーテンやブラインドをつけて直射日光を当てないようにすることも大切です。

続いて、システムキッチンを木目調にするデメリットを紹介します。メリットとデメリットの両方を把握したうえで、木目調のキッチンを決めていきましょう。

取り入れ方を間違えるとぼんやりした印象に

木目調は暖色系の色なので、取り入れ方を間違えるとぼんやりした印象になってしまう場合があります。

キッチンを全面的に木目調にしフローリングの色と同じ色味にした場合、一つの空間に茶色があふれてしまい、メリハリのない空間になってしまいます。キッチンを木目調にするときには部分的に取り入れたり、色味をフローリングとうまく組み合わせたりするといいでしょう。

無垢材は汚れや水に弱い

無垢材には汚れや水に弱いというデメリットがあります。無垢材についた汚れや水濡れを放置するとシミになってしまうため、すぐに拭き取らなければなりません。

水撥ねや油跳ねが気になる方やこまめに拭き取ることが面倒な方は、無垢材の表面をウレタン塗装でコーティングする等、工夫することをおすすめします。

出来上がったキッチンを見て「こんなはずではなかった…」と後悔しないために、システムキッチンで木目調をおしゃれに取り入れるコツを紹介します。あらかじめコツを知っておくだけで、木目調のシステムキッチンがぐんとおしゃれにまとまりまるでしょう。

木目調の色味・方向を統一する

木目調には、以下の3種類の色味があります。

• ダーク系：ウォールナットやチークのような濃い茶色で落ち着いた印象


• ナチュラル系：木のぬくもりを感じるあたたかい印象


• ホワイト系：ホワイトオークのような白っぽい色味で明るく元気な印象

一つの空間で木目調の素材を複数使用するときには、違和感をなくすために色味を統一するとおしゃれ感がアップするのでおすすめです。ただし、キッチンとフローリングの色味を統一するときは、ぼんやりとした印象になりがちなので注意が必要です。

また、おしゃれに見せるためには木目の方向を合わせることも大切です。フローリングや天井の木目とキッチンの木目の方向を統一することで、目線が自然に流れ、空間に一体感が生まれます。

アイランドキッチンやペニンシュラキッチンなどオープンタイプのキッチンでは、木目調の色味や方向だけでなく、設備や家電の色などキッチン全体の色のバランスを考えるようにしましょう。

キッチンの一部だけ木目調を取り入れる

キッチンの一部だけ木目調を取り入れることも、おしゃれに仕上げるコツの一つです。キッチンの至るところを木目調にしてしまうと、木目の印象しか残らずメリハリのない空間になってしまいます。

たとえば、ブラックのワークトップにダーク系の木目調キッチン扉を合わせると、シックな雰囲気になり高級感が出ます。ホワイトの人工大理石のワークトップに明るいホワイトオークの扉を合わせ、ブラックの取っ手で引き締めると空間がうまくまとまるでしょう。

日当たりなど明るさも考慮する

木目調のキッチンは、設置する場所の日当たりや照明の数など明るさによっても見え方が異なります。

実際にキッチンを見ることができるショールームでも色味や質感は確認できますが、商品を魅力的に見せるために照明が多めに使われていることが多いです。そのため新築やリフォーム後、改めて自宅で木目調のキッチンを見たときに暗く感じられる場合があります。自宅の日当たりや照明など明るさも考慮したうえで、色味や質感を選ぶといいでしょう。

自分にとって理想のキッチンを実現させるためには、多くの事例を見て理想のイメージをまとめることが大切です。ここからは、トーヨーキッチンスタイルで理想的な木目調キッチンを実現させた事例を紹介します。それぞれ異なる良さがあるので、ぜひ参考にしてみてください。

黒と木目調を基調としたキッチン

黒と木目調を基調としたF様のキッチンは、マットな質感が魅力である黒い木目調の扉「スモーク」を採用。足元のライティングがより一層黒い木目調のキッチンを引き立て、キッチンが空間の中心的存在となっています。

深くて広いパラレロシンクに置かれたウォールナットのカッティングボードは、ステンレス製ワークトップのいいアクセントでありながら、空間との一体感があります。

無垢材のR垂れ壁も美しく、黒く塗られた柱やキッチンとの調和も取れており、空間的なバランスがとても参考になる事例です。

東京都 F様邸

さまざまな木目調のおしゃれな空間

スタイリッシュなステンレスのワークトップに、天然木の風合いをリアルに再現した「フィールウッドダーク」の扉を採用したK様邸。

無垢材のフロアや天井の自然素材など、キッチン扉以外にもさまざまな木目調を見ることができます。ダーク系の色味のものが選ばれており、空間全体に重厚感や高級感があります。

無機質なキッチンと数々の木目調が組み合わさり、独特な唯一無二の空間になっています。

鳥取県 K様邸

古民家テイストにマッチした木目調キッチン

昔ながらの古民家に、先進的なイメージのあるキューブ型のキッチンを採用したH様邸。

あえて角度をつけて設置されたキッチンは、本物の木材の質感を表現した「ミディアム」の木目柄扉を選んだことで、不思議と古民家の落ち着いた雰囲気にマッチしています。

まるで古民家の囲炉裏のような雰囲気のあるキッチンには自然と人が集まり、あたたかさや懐かしさを感じさせるつくりとなっています。

岡山県 平野様邸

今回は、システムキッチンで木目調をおしゃれに取り入れた事例集をご紹介しました。システムキッチンを木目調にするメリット・デメリットや木目調をおしゃれに取り入れるコツも解説しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

一口に木目調と言っても、木目調の色味や木目模様の再現度、質感はさまざまです。そのため「どの木目調を取り入れたらいいのか」「どの色味を選べばおしゃれになるのか」など悩むこともあるかもしれません。

少しでも迷ったらショールームに足を運び、プロに相談するのもおすすめです。プロのアドバイスを聞くことで、理想のキッチンのイメージが固まりやすくなります。木目調をうまく取り入れて、おしゃれなシステムキッチンを実現させましょう。