ここは都心部の邸宅地に建つマンションの一室。155平方㍍あるメゾネットタイプの住居にお住まいなのは、フラワーデザイナーのシンガー由美子様と、アメリカ人のご主人。住まい手の美意識が結実したLDKで、インテリアへの目線、そしてトーヨーキッチンスタイルのゼロ動線キッチン®「iNO V-LAND」への想いをうかがいました。
ソリッドで個性的なフォルムを活かすために
「去年まで住んでいた白金台の一軒家は部屋が10室ほどある大きな家でしたが、子どもたちが皆独立して夫婦二人だけになったのと、週末は山中湖の別荘で過ごしていることから、東京での暮らしをもっとサイズダウンしようと、昨年このマンションに移りました」。
その際、新居に求めたのはモダンなイメージだったと話すシンガー由美子様。
「以前の家がクラシックで重厚な雰囲気だったので、今回はがらりと印象を変えたくて。それに、ここは仕事や交友を楽しむためのステーションのような場所。東京の暮らしに必要なものを取捨選択し、それをいかに活かすかを考えた結果、キッチンを中心にした家になりました」。
玄関から続くLDKの主役は、135度の角度をもつ究極のゼロ動線キッチン®「iNO V-LAND」。その個性的なフォルムを活かすため、入居前には大胆なリノベーションが実施されました。
「玄関とキッチンの間にあった下駄箱を撤去してガラスのパーテーションに変更し、キッチンの壁2面を取り払ってオープンにしたうえで、グレーの壁紙で統一しました。その甲斐あって、エッジの効いたキッチンが空間にうまく調和したと思います」。
料理の時短を叶えた「iNO V-LAND」
「iNO V-LAND」は、デザイン性の高さだけでなく、使い勝手も上々だと話すシンガー様。
「以前の家で使っていた大きなキッチンは、調理中にあっちに行ったり、こっちに行ったり、今から思えば無駄な動きが多かったのですが、このキッチンはV字の中心に立てば、野菜の皮をむくのもコンロでその野菜を茹でるのも、体の向きを変えるだけ。無駄な動きがなくなるので料理の下準備が以前より早くできるのが魅力です」。
「洗う」「切る」「盛りつける」の調理作業がシンクの中で簡潔する「パラレロシンク」についても、「水切りもできるマルチプレートと木製まな板はいずれもスライド式なので、キッチンの内と外から複数で同時に作業ができます。例えばわが家なら、夫がキッチンの内側で炒め物をしているとき、外側にいる私が木製まな板を自分のほうにスライドさせて料理の上にちらすパセリを刻んだり。とても便利ですね」。
月に一度は手料理でもてなすホームパーティーを開くというシンガー様。その際も、パラレロシンクはゲストの興味をおおいに引きつけるのだそうです。
ウォールナットタイプのまな板をセットしたパラレロシンク
高いデザイン性と幅広い選択肢が魅力
ところで、これまで海外製のキッチンを使用していたというシンガー様は、どのようにして「iNO V-LAND」と出会ったのでしょうか?
「ネットなどでトーヨーキッチンスタイルのことは知っていましたが、実際に製品を見たのは、カルテルのスツールを買いに東京ショールームを訪ねた数年前が最初です。そのとき、キッチンのサイズ感や仕上がりを見て、日本の製品にはないものを感じました。特に惹かれたのがデザイン性の高さと選択肢の幅広さ。ステンレスの美しい仕上げや、食洗機をやめてオーブンをビルトインするなど、まるでパズルのように自分好みにカスタマイズできるところに魅力を感じました。当時は一軒家に住んでいましたが、将来マンションに住み替えることがあれば、ぜひ使ってみたいと思いましたね」。
そして昨年、マンションへの転居を決めたときに再びショールームへ。その際、最大全長6.5㍍の『iNO MEGA KITCHEN』とキューブ型のコンパクトな『BAY CUBE』という対照的な二つの商品にも心惹かれたというシンガー様。
「大きなキッチンならダイニングテーブルをなくし、コンパクトなキッチンなら周囲の余白を楽しもうと思いました。結局、空間とのバランスから『iNO V-LAND』を選びましたが、キッチンから空間の可能性を考える時間は楽しいものでした」。
高級感を感じさせる、美しい波形のステンレス扉を採用した「INO V-LAND」リニアメタル。
凸凹のはっきりとしたテクスチャーは傷も目立たない。食洗機をビルトイン。
オープンキッチンだからこそ、背景にもこだわって
最後に、収納について。オープンキッチンでは見せる部分と見せない部分のバランスが重要になります。その点、シンガー様邸ではキッチンバックに造作キャビネットを設置し、その中に食器やカトラリー、調理家電などを配置しています。
「キッチンに食洗機を入れたのでオーブンのビルトインは諦めて、コンパクトな卓上型をポットやコーヒーメーカーなどと一緒に造作キャビネットに収納しました。その隣にはワインセラーを置いていますが、むき出しのままは嫌だったので、サイズに合わせて、やはり造作キャビネットに収めました」。
懇意の工務店にオーダーしたという造作キャビネットの色は黒。前面にスライド式の扉をつけ、食品ストックなど見せたくないものは隠す一方、「すべてに扉をつけるとキッチンの後ろが黒い背景になって圧迫感があるから」と、あえて見せる部分をつくっているのも、シンガー様のこだわりです。
「キャビネットの上部も棚にすればもっと収納力が増したと思いますが、縦のラインが空間全体のよいアクセントになると思い、あえて棚をなくし、デザインとして見せています」。
ディテールへの確かなまなざしが、主役であるキッチンをより美しく引き立てているようです。
[採用アイテム]
ゼロ動線キッチン
iNO V-LAND
サイズ:W80+110/D90/H90cm
扉:リニアメタル
シンク: パラレロシンク
取手:W(ウェーブ)ハンドル
ワークトップ:エンブレムトップ リニア
水栓:トールボーイ・ゼロ動線水栓
レンジフード:UFO鏡面仕上げ
加熱機器:ガゲナウ
食洗機:リンナイ
インテリア
マスターズチェア(Kartell)
[プロフィール]
シンガー由美子(しんがー・ゆみこ)
1996年渡仏。パリにてフラワーデザインを学ぶ。帰国後、フラワーデザイナー「花千代」としてCMや映画のスタイリング、イベントや店舗ディスプレイ、ホテルなどのアドバイザーとして活躍。また洞爺湖G8サミットの公式晩餐会の会場装花も手がけた。現在は花と家具のコラボレーションなど常に新しいジャンルに挑戦し続けている。
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