デザインや機能性に優れ、時代を超えて愛される名作家具や照明たち。実用品を超えて芸術作品としても評価されています。
数ある名作の中から今回は、moooiの「カーボンバースツール」をご紹介します。
デザイン:ベルトヤン・ポット|Bertjan Pot|オランダ
製作:モーイ|moooi|オランダ
2015年|ハイスツール
カーボンバースツールは前身であるカーボンチェアの成功を受けて登場したハイスツールです。最先端の高性能素材とクラフトマンシップの融合を目指し、デザイナーであるベルトヤン・ポットの「素材から始めるデザイン」の哲学を体現した作品です。
ランダムライト(1999年 moooi)
名門アイントホーフェンのデザインアカデミーの卒業制作で余ったグラスファイバーと風船を使って実験的に制作した「ランダムライト」が発端でした。エポキシ樹脂でファイバーを固めて整形するという共通したプロセスが伺えます。後にmoooi最大のアイコンに成長するこの実験的な作品を、彼は自らの手で直接moooiに持ち込むために自宅から自転車と電車を乗り継いだという逸話も残されています。
▶オンラインショップで詳しく見る
カーボンチェア(2004年 moooi)
2003年「カーボンコピー」というプロジェクトで、イームズの名作シェルチェアDSRを2次元のカーボンシートで模写するのではなく、3次元的にカーボンファイバーでコピーするという作品を発表します。グラスファイバー製だった座面のシェルも、エッフェルと呼ばれる金属脚も全てカーボンファイバーのみで手作業で巻き上げて製作しました。素材への果てしない探究心が本家とは異なる新たな価値観を生み出したと話題になり、作品は美術館に所蔵され、結果的に翌2004年にはマルセル・ワンダースとの協業でリファインされ「カーボンチェア」としてmoooiの製品郡に加わります。
▶オンラインショップで詳しく見る
カーボンバースツール(2015年 moooi)
前述のカーボンチェアの商業的な成功を経て新たに追加されたのがカーボンバースツールです。キッチンスツールとして最適な座面高さ66センチと、ホテルなどのバーカウンターに適した76センチの2タイプがあり、座面に敷く柔らかな専用パッドもあります。
また、網目のような座面、脚部は細いフレーム状のため、製品の向こう側に視線が抜け、実質的な軽さと同時に視覚的な軽さを演出しています。
ハイスツールは座面高さが椅子よりも高く、物理的にどうしても不安定になりがち、重さが軽ければ尚更です。しかしカーボンバースツールはカーボンファイバーの素材的なもう一つの特徴でもある堅牢性の恩恵で、軽くてもガッチリとして優れた安定感の座り心地です。
偶発性をデザインプロセスの持ち味としたベルトヤン・ポットですが、カーボンファイバーがランダムに巻かれたように見える座面は、実は荷重が掛かるポイントに合わせてあり、力学的に意味のあるパターンになっています。偶発的に見えつつも構造美が重視されています。
1975年、オランダ、ニウェルーセン生まれ。1998年アイントホーフェンのデザインアカデミー卒業後、卒業制作で余った素材で制作した実験的な作品「ランダムライト」がmoooi|モーイのコレクションに加わり注目される。2003年には自身のスタジオを設立し、moooi|モーイ、Kvadrat|クヴァドラ、Cassina|カッシーナ、HAY|ヘイなど多数のブランドで作品を発表。
すべての作品は素材の研究からスタートし、まずは手を動かして偶発性や即興性、実験的なアプローチから始まる。鮮やかな色使いや大胆なパターンが特徴で、色同士の対比や調和を重視している。構造的な美しさや技術的な試行錯誤を取り入れて工業製品の枠にとらわれない作品多数。
アートとデザインの境界線を自ら曖昧にし、作品は、MoMA(ニューヨーク)、Victoria and Albert Museum(ロンドン)、Boijmans Van Beuningen Museum(ロッテルダム)などの美術館に収蔵されている。
SHOWROOM
間取りやご予算、くわしくご相談されたいお客様には、ご来館予約をおすすめしています。インテリアだけふらっとご覧になりたいなど、ご予約なしでもお気軽にお立ち寄りください。
インテリアのトレンド、海外ブランドの最新コレクションやショールームのイベント情報が
届くメールニュース、特別イベントへの応募など特典が満載。